ウイスキーグラスの向こう側 - ロンドンで見つける自分の道

ウイスキーグラスの向こう側 - ロンドンで見つける自分の道

朝日が窓から差し込み、私の目を覚ます。ベッドから身を起こし、窓辺に立つと、アーンドル・スクエアの緑がこの都会に安らぎを与えているのが見える。深呼吸をすると、隣のデリカテッセンから漂う焼きたてのパンの香りが、私の胃袋を刺激する。

コーヒーを淹れながら、ふと手元を見る。わずかな震えが指先に走る。過労のせいだろうか、それとも何か別の理由があるのだろうか。考えを振り払い、カップを手に取る。

暖かい飲み物が体に染み渡る中、窓の外に目をやる。犬の散歩をする人々、遊ぶ子供たち、ヨガを楽しむグループ。日々の光景だが、今日はどこか新鮮に感じる。「なんでもできる格好良さと、一つを極める格好良さがある」という言葉が頭をよぎる。

私は何を極めているのだろう?ブログの更新数?外国での生活?それとも、ただ生きること自体だろうか。

Harris Tweedのジャケットを羽織り、外に出る。Portobello Roadを歩きながら、古書店のウィンドウに目を留める。山積みの本の間に、自分の姿が映り込んでいるのが見えた。どこか物足りない表情をしている。

「The Queen’s Fox」に足を踏み入れると、いつものようにOliverが温かく迎えてくれる。カウンターに座り、特別な「イチ・ブレンド」を注文する。ウイスキーの香りが鼻をくすぐる。

「最近どうだい、Ichi?」Oliverが尋ねる。 「なんとなく…物足りなさを感じているんだ」と答える。 「そうか。でも覚えておいてくれ。人生は一つのことを極めるだけじゃない。時には、いろんなことに挑戦することも大切だ」

Oliverの言葉が心に響く。確かに、私は多くのことに挑戦してきた。でも、それぞれをどこまで極められているだろうか。

帰り道、夕暮れのPortobello Roadを歩きながら考える。なんでもできることと、一つを極めること。どちらが自分に向いているのか。両立は可能なのか。

アパートに戻り、窓際に座る。夜のアーンドル・スクエアは静けさに包まれている。手の震えは治まっているが、心の中の揺らぎは続いている。明日は何か新しいことに挑戦しよう。そう決意しながら、ペンを取り、日記を書き始める。

「今日、私は自分の人生の方向性について深く考えた…」

Atogaki

なんでもできる格好良さと、一つを極める格好良さがある。自分の素質がどちら側にあるか見極めながら、自覚的になって、その方向で自己研鑽することが大切である。とはいえ、なんでもできるといっても、物知りという幅の獲得はあまりにも容易く、そしてダサい。山本耕史さんはその点でかっこいい。その意味で文字通りなんでも「できる」。やってる。


元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/n287be0aa3bfd 公開日: 2024-08-19 17:41

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