ジャズバーという言葉。
ジャズバーという言葉。
ジャズバー、という言葉が最初はあまり好きじゃなかった。
なんか、言葉にカッコつけたような雰囲気があるし、それをあえていう必要もないと思っていたのだけれど、そうなれば、別の言い方を考えなければならず、答えるたびに、少し喉の奥がつかえる感じが嫌で。
僕から言わせたら、真に中身までカッコいいのはジャズバーではなく、ただの「バー」なのである。
重たい扉を開けて広がる、薄暗い空間。 ジェルでピシッと七三にまとめたスーツの渋い男性が優しく出迎えてくれる。 「マティーニ」 「かしこまりました」。やり取りもそっけない。 小さいBGMと、氷がグラスに当たる音だけが、完璧な調和で店内に響く。 ピカピカに光った銀色のコップでシャカシャカ振ったあと、綺麗な色をした液体が、三角形の小さいグラスに注がれていく。 コースターを綺麗な2本の指で支えながら「マティーニです」なんて、差し出される。
こんな映画みたいなことが行われいてるのが、いわゆる「バー」でしょう。
ジャズバーは全く違うんですよね。
「ジャズを聴きにいくバーっぽいところ。実際は喫茶店と言った方が正確な感じだけれど、夜はほぼお酒しか出してないから、バーと言う以外他に言い方がないのよ、みたいなお店」。
これを省略して、「ジャズバー」というのだ。
だって僕ジャズバーで角ハイ飲んでますからね。 もちろん角ハイも美味しいですよ。ただ、そのマティーニとか、ジントニックとか、そういうカッコいいドリンクは飲んでない。そもそも置いてあんのかな。
ジャズバーの店内は、お酒がずらり、という感じではなく、お酒があるような収納棚の全てにレコードが入っているのだ。
ジャズバーに行くようになって、このアットホーム感にも慣れ、少し「ジャズバー」ということへの緊張感が和らいだのだが、ジャズバーに行かない人はやっぱり、ジャズバーがカッコいいものなのだ。
そうか、そうだよな。やっぱり話さない方が良いな。
でも、今になって、そんなジャズバーという言葉が僕は好きだ。
見た目とか雰囲気だけ華やかな男子、でも実際は素朴なところもあって親近感がグッと湧く感じ。
そんな男子、僕は好きだ。
元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/n574a3a92976c 公開日: 2023-11-16 18:00
This line appears after every note.
Notes mentioning this note
There are no notes linking to this note.