トール・アイスとグランデ・ホット〜氷炎の誓い〜【最終章・エピローグ】
トール・アイスとグランデ・ホット〜氷炎の誓い〜【最終章・エピローグ】
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最終章「終焉の選択」
灼熱の炎と冷徹な氷が交錯する中、クリスタリスとラヴァリアは終焉を迎えつつあった。街のあちこちで、人々は混乱と恐怖に駆られ、彼らの叫びは絶望の旋律となって響き渡っていた。
中央広場に立つトールとグランデは、その壮絶な光景を目の前に、深い絶望感を覚えていた。「私たちが…これを招いた…」グランデの声は震え、瞳からは涙が溢れていた。
トールは彼女の手を取り、彼の中であるアイデアが浮かび上がってきた。かつて、彼が研究していた古代の書物に、時間の流れを操る神秘的な秘術の存在が記されていた。「グランデ、私たちにはもう一つの方法がある。時間を逆行させ、この事態を起こる前に戻すのだ。」
「それができるの?」グランデは驚きの表情を浮かべたが、トールの目には確かな決意が宿っていた。
「しかし…その秘術を使うためには、私たちの存在を犠牲にしなければならない。」
グランデの瞳には愛と悲しみが混ざり合っていた。「私たちの過ちを正すためには、それが最後の方法…。私はあなたとともに、この過ちを正そう。」
レリックとアンベラが2人の前に立ちはだかった。しかし、トールとグランデは彼らの反対を振り払い、古代の秘術の詠唱を始めるための準備を開始した。まず、2人はリンクポイントの真ん中に立ち、互いの手を取り合った。彼らは瞑想のような状態に入り、深く呼吸をし始めた。空気中には、彼らの強い意志と愛が感じられるような静寂が広がっていた。
彼らの心と心が一つとなり、過去の記憶と未来の願いが交錯する中で、トールは古代の言葉をゆっくりと口にし始めた。「エルドラー・タイマンス・リヴァーティ・シリオン」という神聖な言葉が、彼の唇から放たれた。これは、時間を逆転させるための魔法の詠唱であった。グランデも、その言葉を繰り返し、声を合わせて詠唱を進めた。
彼らの心と心が一つとなり、過去の記憶と未来の願いが交錯する中、彼らは古代の言葉を唱え始めた。その言葉は、まるで時空を歪めるような魔力を持っていた。
次第に、周りの光景が変わり始め、時間の流れが逆行し始めた。しかし、その中心にいたトールとグランデの姿は、徐々に透明になっていき、最終的には完全に消え去ってしまった。
2人の愛と決意が、世界を救った。しかし、彼らの存在はこの世界から消えてしまった。クリスタリスとラヴァリアは、彼らが存在しなかったかのような平和な日常を取り戻していたが、ある者たちは彼らの愛の痕跡を感じ取ることができた。その痕跡は、風のささやきや、水面のきらめきとして、永遠に2人の愛を伝え続けていた。
エピローグ
夕暮れのクリスタリスでは、太陽が氷の都市を赤く染めていた。ラヴァリアの溶岩は夜の静寂の中で静かに光りを放っていた。二つの都市は再び平穏を取り戻していたが、トール・アイスとグランデ・ホットの存在はすっかり忘れ去られていた。
とはいえ、その日、クリスタリスの図書館で一人の少年が古い文献を見つけた。ページを開いたとき、彼の目に映ったのは「エルドラー・タイマンス・リヴァーティ・シリオン」という神聖な言葉だった。少年はその言葉の下に書かれている訳を目にする。「秘められた鍵は真実の門」
少年の心は高鳴った。彼は知っていた。これは新たな冒険の始まりを示唆するものであることを。都市の中には伝説や神話が数多く語り継がれているが、この「真実の門」に関する伝説は聞いたことがなかった。
その夜、少年はラヴァリアの友人にこの発見を手紙で知らせた。二人は距離を超えて通信することができる魔法の絵筆を用いてお互いに手紙を交わしていた。ラヴァリアの少女も興奮して返信し、二人はこの「真実の門」を探し求めることを決意する。
彼らは知らない。かつてトールとグランデが築いた愛と絆、その結果としての神聖な言葉が、新たな冒険家たちを導いていることを。歴史は繰り返されるが、その中に新しい物語が生まれるのだ。
クリスタリスとラヴァリア、二つの都市の未来は、まだ未知数だった。しかし、愛と絆、そして真実を求める心は、永遠にその土地に残るだろう。
元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/ndf58b0121af7 公開日: 2023-09-29 18:00
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