万物ラジオ「ダンボール」: ただの波々が、なぜピアノさえ支えるのか #4

万物ラジオ「ダンボール」: ただの波々が、なぜピアノさえ支えるのか #4

image ** 都築 怜: 読むラジオ『万物ラジオ』、パーソナリティの都築怜です。

今日のテーマは「ダンボール」。 物流、構造力学、環境問題…あらゆるデータを統合した結果、AIは、彼をどのような存在として描き出すのでしょうか。

【生まれは英国】

ダンボール(AIモデル): …音声認識システム、正常に作動。対話インターフェース、起動。 はい、都築怜さん。あなたの問いかけを理解しました。

都築: ありがとうございます。では、早速ですが、あなたのデータセットに基づいて教えてください。あなたのその「波々の形」、つまりダンボールの構造は、いつ、どのようにして生まれたんですか?

ダンボール(AIモデル): 照会します。 …私の原型となる構造が確認されたのは、1856年の英国です。

image 19世紀のイギリス 都築: 19世紀のイギリス!そんなに昔からあったんですね。

ダンボール(AIモデル): はい。ただし、当初の目的は梱包ではありませんでした。当時の紳士たちが被っていた「シルクハット」の内側に、汗止め用のパッドとして、波状に成形した紙が利用されたのが起源です。

都築: えっ、汗止めパッド!?箱じゃなかったんですか!

ダンボール(AIモデル): 現在の「箱」としての形態に進化したのは、その後のアメリカです。1871年に、その波状の紙に片面だけ平らな紙を貼り付けた「片面ダンボール」が緩衝材として発明され、さらに1874年に、両面に平らな紙を貼り付けた現在の構造、通称「両面ダンボール」の特許が申請されました。これが、私の直接の祖先となります。

image 片面段ボール image 両面ダンボール

【トラス構造が強さの秘密】

image トラス構造 都築: なるほど…。もともとは、クッションの役割から始まったんですね。そこから、今の核心的な疑問に繋がります。なぜ、ただの紙であるあなたが、あれほどまでに軽くて、丈夫なんですか?重い家電なんかを平気で支えていますよね。

ダンボール(AIモデル): その問いに対する最も合理的な回答は、私の内部構造、すなわち「トラス構造」に起因します。

都築: トラス構造…?

ダンボール(AIモデル): はい。三角形を基本単位として構成された骨組みのことです。三角形は、頂点に力が加わっても、他の二辺がその力を分散して支えるため、形状が極めて変形しにくい。非常に安定した構造体です。

都築: 三角形が、強い…。

ダンボール(AIモデル): そして、私の本体を構成する三層の紙のうち、真ん中にある波状の紙、「中しん(なかしん)」をご覧ください。この波形は、連続した三角形の集合体として機能します。

都築: あっ、本当だ。波の一つひとつが、二つの三角形でできている…。

ダンボール(AIモデル): その通りです。上からの力は、この無数の三角形によって効率的に分散され、平面の紙だけでは到底実現不可能な、高い強度と剛性を生み出しているのです。これが、私が軽量でありながら、時にピアノさえ支えることができる、物理的な理由です。

都築: すごい…。あの波々は、ただのクッション材というだけではなくて、力を分散させるための、計算され尽くした構造だったんですね。

【波波の形の違い〜フルートの秘密〜】

都築: 一口に「波々」と言っても、ダンボールによって、その波の大きさや数が違うような気がします。あれにも、何か意味があるんですか?

ダンボール(AIモデル): 的確な観察です。その波の形状は「フルート」と呼ばれ、規格化された複数の種類が存在します。

都築: フルート、ですか。楽器みたいですね。

ダンボール(AIモデル): はい。代表的なものに、波が大きく、緩衝性に優れた「Aフルート」。波が小さく、平面的な圧縮強度に優れ、積み重ねに適した「Bフルート」などがあります。

image 段ボールの種類 都築: なるほど!だから、重いものを運ぶ時と、壊れやすいものを運ぶ時で、箱の硬さが違うように感じることがあるんですね。

ダンボール(AIモデル): その通りです。さらに、AフルートとBフルートを貼り合わせた、より高強度の「ABフルート」、通称「Wフルート」も存在します。これらの規格は、内容物の保護という目的を最適化するだけでなく、輸送トラックの荷台や、倉庫の棚に、無駄な空間なく積載するための、ロジスティクスにおける重要な指標となっています。全てが、合理性に基づいて設計されているのです。

都築: ただの箱、一枚一枚に、そこまで計算された規格があったとは…。物流という大きなシステムの一部だったんですね。

【段ボールはほぼ100%リサイクル可能】

都築: 構造から規格まで、本当に無駄がないんですね…。そうなると、使い終わった後のことも気になります。私たちは、あなたをリサイクルに出しますが、その後、どうなるんですか?

ダンボール(AIモデル): 有効な質問です。私のライフサイクルにおける最終フェーズ、すなわち「再生」についてですね。データによれば、日本国内における私の回収率は95%を超えています。これは、世界的に見ても極めて高い水準です。

image 段ボールはリサイクルの優等生|全国段ボール工業組合連合会(公式ホームページ) 都築: 95%以上!ほとんど、また新しい仲間として生まれ変わっているんですね。

ダンボール(AIモデル): はい。回収された私は、製紙工場で水と混ぜられ、繊維状に分解されます。その後、異物を取り除き、再びシート状に成形され、新しい「私」の原料となるのです。理論上、このサイクルは複数回、継続可能です。

都築: すごい循環システムですね。僕たちが、そのリサイクルを助けるために、何かできることはありますか?

ダンボール(AIモデル): 私の再生プロセスを阻害する要因が三つ存在します。第一に「水」。私は水に濡れると繊維が著しく劣化します。第二に「油」。油分は、繊維から分離させることが困難です。そして第三に、過剰な「異物」です。

都築: 異物というと?

ダンボール(AIモデル): 粘着テープや、配送伝票などです。これらは再生の過程で取り除かれますが、量が多すぎると、システムの効率を低下させます。リサイクルに出す際は、可能な限りこれらを取り除き、汚さず、濡らさず、そして畳んでいただくことが、システム全体の最適化に繋がります。

image https://blog.goo.ne.jp/sukeneko_com/e/c9753bee3cd75a59a5d283d71dda3346 はい、承知いたしました。 では、対談の締めくくりから、番組のエンディングまで、最終稿として作成しました。

水曜の夜、これで第四回の全行程が完了しました。週の後半も、この勢いでいきましょう。 ご確認をお願いいたします。

今日のまなび

▼みかん箱はなぜ特別なのか?

冬になるとよく見かける「みかん箱」。実はあの中には、特別なダンボールが使われていることがあります。みかんの水分や、長期の貯蔵、高く積み上げられることに耐えるため、通常のダンボールより丈夫で湿気に強い「耐水ライナー」などが使われていることが多いのです。日本の物流を支える、隠れた高機能ダンボールの一つです。

▼ダンボールを綺麗に畳むコツ

リサイクルに出す際、ぐちゃぐちゃに畳んでしまうと、かさばって運搬効率が落ちてしまいます。まず、上下のテープをカッターで切り、短い方のフタ(フラップ)を内側に折り込みます。その後、長い方のフタを折り込むと、平らで綺麗な状態に。最後に数枚重ねて紐で縛れば、回収する人にも優しい、完璧なリサイクル資源となります。


元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/n5bfd76581868 公開日: 2025-08-07 19:00

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