仕事の順序
仕事の順序
時計の針が12時を指す瞬間、私の意識は複数の可能性の重ね合わせ状態から一つの現実へと収束した。まるで量子の波束崩壊のように、私の存在がこの瞬間に確定したかのようだ。目の前には、手つかずの仕事が山積みになったデスクが広がっている。
窓の外では、ロンドンの空が微妙な灰色の階調を奏でていた。雨が降るかもしれないし、そうでないかもしれない。この不確定性が、今の私の心境と奇妙に共鳴している。
「どうせ今日全部やるんだから、順序なんてかんけえねえだろ。」
そんな言葉が、まるで過去の自分からの伝言のように頭をよぎる。しかし、その考えは今の私には少し遠い。仕事の優先順位。それは単なる効率の問題ではなく、存在そのものの在り方に関わる問いのようにも感じられる。
指先で触れる紙の感触、キーボードを叩く音、コーヒーの香り。これらの感覚が織りなす日常の交響曲の中で、私は思考を巡らせる。優先順位をつけることは、ある意味で人生の選択そのものだ。何を先に、何を後に。その選択の連続が、今の自分を形作っている。
ふと、デスクの隅に置いてあるルービックキューブに目が留まる。その六面体は、今の私の心の状態を象徴しているようだ。複雑に絡み合った色面。それを一つずつ解きほぐしていく過程。それはまさに、仕事の優先順位を決めていく作業に似ている。
しかし、本当にそれで良いのだろうか。全てを整然と並べ、完璧に解き明かすことが、本当の意味での「優先順位」なのだろうか。むしろ、この混沌こそが創造性の源泉なのではないか。
窓の外では、雨粒が静かに落ち始めていた。その音が、不思議と心を落ち着かせる。雨粒は、優先順位など考えずに、ただ重力に従って落ちていく。その姿に、ある種の美しさを感じる。
そう、優先順位を決めることも大切だ。しかし同時に、時にはその枠を超え、混沌を受け入れることも必要なのかもしれない。完璧を求めすぎず、時には「やりたい順」に任せてみる。そんな柔軟さも、仕事を進める上で大切なのではないだろうか。
デスクに向かい直す。山積みの仕事を前に、私は深呼吸をする。優先順位をつけつつも、直感に従う。それが、今の私なりの答えだ。
雨音を聴きながら、キーボードを叩き始める。この瞬間、仕事と私は一体となり、新たな創造の可能性が開かれていく。それは、秩序と混沌が絶妙に調和した、まさに量子的な状態。この状態こそが、真の生産性を生み出すのかもしれない。
そう感じながら、私は仕事に没頭していく。ロンドンの雨は、静かに降り続けていた。
Atogaki
仕事の優先度をあまり真剣に考えたことがなかった。ダメなようで意外と多いのではないだろうか。というのも、「どうせ今日全部やるんだから、順序なんてかんけえねえだろ。せめてやりたい順にやらせてくれよ」という論理が働く人間なのだ。自分で自分のことを多少仕事ができるとか思い上がってる人間に多い思考なのだと思う。ただ、とはいえ大変な状況に立たされるとやばいと思う。
都築怜
元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/n79c4a58170d4 公開日: 2024-08-26 22:03
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