絵本『かちかちやまとゆらゆらうみ』

絵本『かちかちやまとゆらゆらうみ』

かちかちやまとゆらゆらうみ

むかしむかし、森のはずれに小さな村がありました。 村には、カメのトント先生と、ウサギのピョンタが住んでいました。

トント先生は山へ出かけるのが大好き。 「かちかち、かちかち」と音を立てながら、毎日少しずつ山道を登っていきます。

ピョンタは海へ行くのが大好き。 「ゆらゆら、ゆらゆら」と波に身をまかせ、毎日たくさんの場所を泳ぎまわります。

ある日、ピョンタがトント先生に言いました。

「トント先生、どうして毎日同じ山ばかり登るの? 海なら一日でたくさんの場所に行けるよ。 山登りは時間がかかりすぎるよ」

トント先生は静かに笑いました。

「ピョンタくん、それは面白い質問だね。 今度の休みの日に、ぼくの山とキミの海、両方に行ってみないかい?」

休みの日、二人はまず海へ出かけました。 ピョンタは得意げに波に飛び込みます。

「見てよトント先生!ぼく一日で海のあっちもこっちも行けるんだ!」

ピョンタは水中で回転したり、波に乗ったり。 でも、トント先生は波に揺られるだけで、すぐに疲れてしまいました。

「ピョンタくん、海はとても広くてきれいだけど、 ぼくには少し速すぎるみたいだね」

次に二人は山へ向かいました。 トント先生は「かちかち、かちかち」とゆっくり歩きます。

「ピョンタくん、山は一歩一歩ゆっくり登るんだよ。 でも見てごらん、少しずつ高くなると、見える景色が変わるんだ」

ピョンタはすぐに先まで走っていきましたが、 すぐに息切れして戻ってきました。

「はぁはぁ…トント先生、山は大変だね。 海みたいにすぐにいろんな場所へ行けないよ」

トント先生はにっこり笑いました。

「でもね、山はゆっくり登るからこそ、 途中で見つける小さな花や、珍しい石、 木の実や鳥の巣を、じっくり観察できるんだよ」

そういってトント先生は、途中で見つけた小さな洞窟に案内しました。 中には、きらきら光る水晶があったのです。

「わぁ、きれい!」ピョンタは目を輝かせました。

その日の帰り道、ピョンタは考えこんでいました。

「トント先生、海は楽しいけどすぐに終わっちゃう。 山は大変だけど、長く楽しめるね」

トント先生はうんうんとうなずきました。

「そうだね。でもね、海にしかない楽しさもあるし、 山にしかない楽しさもある」

「どっちがいいのかな?」ピョンタが尋ねました。

トント先生は空を見上げながら言いました。

「それはね…」

そのとき、森の賢者キツネのケンが現れました。

「やあ、面白い話をしているね」

ケンは二人の話を聞くと、こう言いました。

「山も海も、どちらも素晴らしいものだよ。 でも、もっと大事なことがある」

「なにかな?」ピョンタが首をかしげました。

「誰と一緒に過ごすか、だよ」ケンは微笑みました。

「友だちと山に登れば、長い時間が宝物になる。 友だちと海で遊べば、短い時間が輝きを増す」

ピョンタとトント先生は顔を見合わせました。

「そうか!大切なのは時間の長さじゃなくて…」

「一緒に過ごす人なんだね」

それからというもの、ピョンタとトント先生は、 月曜日は山へ、水曜日は海へ、金曜日は村の広場で みんなとゲームをして過ごすようになりました。

時には村の子どもたちを連れて山へ登り、 時には村のお年寄りと一緒に海辺でお弁当を食べました。

ある日、ピョンタが言いました。

「ねえトント先生、山と海、どっちが好き?」

トント先生は考えながら答えました。

「どちらも好きだよ。山はゆっくりだけど長く楽しめる。 海は速いけど、たくさんの場所に行ける」

「そうだね。でも本当に大事なのは…」

二人は声をそろえて言いました。

「誰と一緒に過ごすか、だよね!」

そして二人は、村中の友だちを誘って、 山と海の間にある丘の上でピクニックを開きました。

そこからは、かちかちやまもゆらゆらうみも、 どちらも見渡すことができました。

山の静けさと海の躍動が、風に乗って響き合う音は、 世界でいちばん美しいハーモニーでした。

おわり​​​​​​​​​​​​​​​​

あとがき

ワインは安くて高い。1000円-3000円で少なくとも僕にとっては美味しいものが手に入るが、消費ペースが早く結果として高い。

対して、ウイスキーは高くて安い。なんだかんだで5000-8000円のものを買うことが多い。とはいえ一度買ってしまうと、それなりに長い期間楽しむことができる。じゃあ、値段の差以上に楽しめる期間の方が長いので、ウイスキーに軍配が上がるのだろうか?いやそうとも言い切れない。なぜならワインの方が愛好家コミュニティそのものが大きい印象がある。そしたら、もしかしたらいつか、自身の関係作りにも役立つことがあるかもしれない。仕事に繋がったらそれこそ儲けもん。となるとワインは、安くて高いが、高くて安いもの、と言えてしまうのかもしれない。じゃあウイスキーは高くて安いが、安くて高いものなのだろうか。あれ、でもそれって結局、分数と分数の掛け算で消し合う感覚で考えれば、安いものが安く、高いものが高いという、ただの商品の値段の差の話に帰着する?


元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/ne9b268b2fd31 公開日: 2025-03-24 18:00

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