電車での立ち方。
電車での立ち方。
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窓の景色を眺めていた。
右から左に景色が流れていく。
大体、いつもの目線は、やや右あたりにやっていることが多い。
新しく見えてくるものに焦点を当てて、 見えたものは横目に見ながら受け流していく。
目線を右の方向ではなく、真正面にしてみた。 今まさに自分の体の位置のところにきたものを見ようとしてみた。
すると、景色が見づらいことに気づいた。 サーって流れていってしまう。 ブラー加工した絵をずっと見ているようで多少の気持ち悪さを感じる。
こんなところから、 「効果的に記録を伸ばすチャリ走の遊び方」なんてものに考えを飛ばしていた。
チャリ走は常に右に進んでいくようにして画面が移り変わっていく。 僕も右に進んでいる。
ここで、自分の奇妙な癖に気づいた。
「自分、電車の進行方向に対して、必ず左に90度回転した形で立っているのでは?」と。 だって、電車の進行方向に対して、右に90度回転するように立つと、左に進んでいくってことですからね?
確かに、”右”と”進む”は極めて近しい概念。 僕は知らず知らずのうちに、電車の進行をやむなく受け入れ、それに順応するようなスタイル(立ち方)を取っていたのかもしれない。
そこで僕は電車の中で立ち方を変えてみた。 左を向くようにして、電車が進んでいく。 この感覚は少し受け止めにくい感じがする。
後ろを向きながら進んでいるようなものだ。 新幹線でグリンと座席を回して座っているようなものだ。
僕にとっての”逆走”ともとれるこの電車の進み方には、ある種のイリュージョンを見出せる。 妙な違和感が僕の全体を包み込んで、どこかに連れて行こうとしている。 大きな車体になすすべなく、僕は左を見続ける。
元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/nce466ebaf2c0 公開日: 2023-04-12 17:00
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