靴磨きのワックスはありかなしか

靴磨きのワックスはありかなしか

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靴磨き、衣食住における「衣」ではあると思うけれど、そのなかではハイレイヤーに位置付けられる文化と思う。要はなんとなくやってる人が少ないから、自ずと個々の意見には強さがある気がする。それぞれの意見について個人なりに紐解いてみたい。

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■ 今日聴いた曲 ウェイン・ショーター「Speak no evil」

https://open.spotify.com/album/27Rl7A8jXEQOkIfUKOa6ZU?si=cLNF1TLmQN6gZtPz52T-pA

まぁ聴いてみた。今度もう一度聞いてみる

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靴磨きとは何か

靴磨きとは基本的には「革靴」に施すもので、長く使うこと、あるいは革本来の持つ魅力とその経年性を愛でるために行うもの。

靴磨きの特徴として、やってる人のこだわり強め、ってのがあると思っています。

というのも、洋服はなんとなく着ている方も多い、何も着ずに表を歩くことはできませんからね。だからこだわりがある人(極端な意見をお持ちの方)が多いようで少ない。声を持たない中間層がたくさんいるのです。

対して、靴磨きは比較的靴にこだわりを持っている方がやられている印象。中間層がごっそり抜けてしまっている分、ノイジーマイノリティ is 全部みたいな状況になっている気がします。

自身が身につけるものに人並み以上の興味、関心を寄せている人が靴磨きをするものであって、故に一定のスタンスを主張したくなる方が多い。

詳しくみていくと、個々で色んなこだわりを持たれている方はいますけれど、大きく2つの派閥を形作っているように思います。

それが

・ポリッシュ派か

・ノンポリッシュ派か

です。

革靴にワックスはありかなしか

ちなみに、靴磨きをやられる方のなかでほぼ全員コンセンサスが取れてるのは、ワックスをやるまでの段階。

例えばブラッシングやクリーナーを使った汚れ落とし、そして然るべきクリームの補給までは基本的には誰もが一致しています。 なぜならば、これらは洗顔で言うところのクレンジングから洗顔、そして化粧水&乳液の補給、に位置付けられるものであって、革靴の「お手入れ」としてマストなニュアンスが共有されています。

詳しくみていくと個々のこだわりが違う…みたいなのは、そのワックスまでのやり方ですよね。例えば、クリーナーはちょっとキツいのを使うとか、弱いのを使うとか。

ただ、”何をどうやるか”の話でいったときに、 ワックスの話はHowのレイヤーではなくて、Whatのレイヤーで意見が真っ二つに分かれているのが特徴ですね。

言ってしまえばポリッシュは「お化粧」にあたるんですよね。 ピカピカに爪先とか踵が光りますから。 靴磨きloverのなかでは「鏡面磨き」なる言葉もあって、まさに自分の顔が写り込むくらい磨き込む、そんなテクニックをお持ちの方もいらっしゃいます。

ただ、やりすぎは革に良くないとは言われていますね。 まさに、厚化粧が肌に負担をかけるように。

それでも、ワックスが必ずしも悪いわけでもないのです。 というのも、ワックスがある種のプロテクトを担ってくれるからです。

つま先や踵にワックスを施すのはその点でも理にかなっているのです。 (芯材が入っているからそこにしかワックスが乗せられない側面もありますが)

必ずしもなしとは言い切れない

ここで登場するワックスがけ「なし派」の意見。 正直、ファッションではなく”革靴”が好きな方は結構ポリッシュ派が多い。

ノンポリッシュ派の人は、トータルコーディネートの一部、要は「服」として靴を捉えている人に多い。例えばこんな意見。

革靴なんて傷がついてなんぼ。ワックスがプロテクターとしての意味を持つとか言ってるけどそもそも意味がない。

要は、革靴というのはエイジング(経年変化)が面白いんですね。 それは、革の色合いが変化したり、足の形に合わせて変形したりすること。 それによって、自分だけの一足になる、しかもスニーカーでは考えられないほどの年数を共にできるので、育てながら履く、その成長を見守っていけるのが面白いのです。

その点で、傷もエイジングの一つだろう、プロテクトすること自体、革靴本来の楽しみ方からは逸脱しているんちゃうか。みたいな意見ですね。

わかるっちゃわかるんですけど、少し「経年性を愛するとは何か」を議論しても良いのかなと思います。 極端に言えば、無防備のまま革靴を外で歩かせて、傷も付け放題で、その使い方を”愛している”と言えるのか?ということです。

傷があるかどうか、ではなく、その傷がどう付いたかが問題ではないのか、みたいな言い方ができるのです。 ポリッシュしたからって傷が0になるわけではない、それでも、それほどの手入れをしてしまっても付いてしまった傷、だから愛おしいのではないかと。手をかけてやった時間が愛するということではないのかと。

ノンポリッシュ派の意見はこんなのも。

悲しい出来事のときポリッシュされた靴は履いてはいけない。ワックスの「付けたり落としたり」が面倒であろう。

そう、冠婚葬祭のなかの一つのイベントごとの話ですね。

ただ、そんなに頻繁に起こる訃報なんて、祟りでしょう。 毎日履く靴をポリッシュしない理由に、年に1回も訪れないようなイベントごとを持ち出されても、説得力はないように思えませんか。

ポリッシュ派が正解、でもない

では、ポリッシュ派が”正解”なのか?というと全くそうではないと思います。

結論、過度なポリッシュはシンプルに「ダサい」ことが多いんですね。 厚化粧が不恰好に見える、と思ってもらえれば構わないです。 “化粧”にしか異常に興味を示さないこともトータルのコーディネートにぎこちなさを生んでしまいます。

確かに、革靴が好きな人って趣味でグッズをコレクションするように、ある種ファッションの文脈からは逸れたところで楽しんでいることが多いんですが、 それでも実際に着用して街を歩く以上、革靴はその人のスタイルの一部として(ファッションの文脈で)、見られてしまうものなのです。

そんな「厚化粧文化」のアンチテーゼとしてノンポリッシュ派の方々が生まれてきたように思えます。 ファッションとして、他のお洋服とコーディネートする視点で持って、革靴を美しく履きこなしたいですね。


元記事URL: https://note.com/reitsuzuki/n/n2433130dcd30 公開日: 2022-02-28 00:06

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